宮古島 ダイビング船転覆事故で国が報告書 “国の把握不十分”

2023年8月、沖縄県宮古島市の下地島の沖合で、ダイビングの客など20人を乗せた船が転覆した事故で、国の運輸安全委員会が報告書を公表しました。

この事故で、けが人はいませんでした。

報告書によりますと、天候が悪化する中、船の後部にある仕切り板を外していたうえ、およそ1000キロの潜水機材を積んだ状態で運航したため、沈みやすくなっていた後部に波がかかって海水が流れ込み、エンジンが停止して転覆したということです。

船の運航会社では、乗船人数を最大で24人だとしていましたが、運輸安全委員会が調べたところ、仕切り板を外した状態では11人が上限で、人数が多かったことも転覆の要因になった可能性が高いとしています。

仕切り板は、事故の17年前に運航会社の従業員が取り外していましたが、
▽船の修理や改造をしたときに行われる法律に基づく臨時の検査を受けていなかったほか
▽実施された定期的な検査でも、検査機関からの指摘はなかったということです。

また、ダイビングの客を乗せる船の運航会社は、
▽国の監査の対象になっていないほか
▽運航可能な気象条件などを定める安全管理規程の作成や、届け出が義務づけられていないということです。

このため、運輸安全委員会は、国の実態把握が十分ではないと指摘したうえで、関係する行政機関が重層的な安全管理や指導を行うべきだとしています。